北中米ワールドカップ(W杯)の開幕を控えるサウジアラビア代表に、なんとも予期せぬトラブルが舞い込んできてしまいました。

現在、RCランス(フランス)で活躍するDFサウード・アブドゥルハミドが、滞在先のオランダ・アムステルダムで強盗被害に遭遇。このアクシデントにより、予定されていた代表合宿への合流が遅れる事態となっています。

今回のW杯に向けて発表されたサウジアラビア代表の候補メンバー30名のうち、国内リーグ(ロシュン・サウジ・リーグ)以外でプレーする「唯一の海外組」として大きな期待を背負っているのが、このアブドゥルハミドです。ローマからのレンタル移籍で加入したランスでは、右サイドバックとして圧倒的な存在感を発揮。チームのリーグ・アン2位フィニッシュや、クープ・ドゥ・フランス(フランス国内カップ戦)制覇に大きく貢献するなど、まさにキャリアの絶頂期の中で代表合流を迎えるはずでした。

休暇先での悲劇…パスポートや車を盗まれ足止め状態に

悲劇が起きたのは、代表チームに合流する前の短いバカンス期間中のことでした。アブドゥルハミドは家族の結婚式に出席するため、オランダのアムステルダムを訪れていましたが、現地で強盗のターゲットにされてしまったのです。

サウジアラビアサッカー連盟(SAFF)が発表した公式声明によると、彼は車だけでなく、パスポートを含む貴重品や所持品の一部を盗まれてしまったとのこと。出入国に必要なパスポートを失ったことでアムステルダム現地での足止めを余儀なくされており、現在はサッカー連盟と在オランダのサウジアラビア大使館がタッグを組み、一刻も早い問題解決に向けて奔走しています。

SAFFは以下のような声明を出し、全面的なバックアップを約束しています。

「サウジアラビアサッカー連盟は現在、スポーツ省と密に連携しながら、現地での捜査状況を注視しています。また、選手が速やかに代表チームへ合流できるよう、必要な渡航書類の発行に向けて、在オランダ・サウジアラビア王国大使館とも全面協力を行っています。我々はこのような困難な状況にあるサウード・アブドゥルハミド選手を全力でサポートし、彼が1日でも早く、無事に代表キャンプへ到着することを心から願っています」

なお、今大会のサウジアラビア代表はグループHに所属しており、本戦ではウルグアイ、スペイン、カーボベルデといった一筋縄ではいかない強豪国との対戦が控えています。

【個人的な感想】チームの命運を握る男の不運…精神的なケアと早期合流を願う

ここからは僕個人の感想ですが、ワールドカップというサッカー界最大の祭典を直前に控えたこの大事な時期に、こんな理不尽なトラブルに巻き込まれてしまったアブドゥルハミド選手が本当に不憫でなりません。命に別条がなかったことだけは不幸中の幸いですが、車やパスポートを盗まれる恐怖や、代表合流が遅れる焦りは想像を絶するものがあるはずです。

サウジアラビアにとって、フランスの上位クラブで揉まれてタイトルまで獲得した彼の経験値は、グループステージを突破するために絶対に欠かせないピースです。特に同組にはスペインやウルグアイといった世界のトップランナーが弾丸のようなアタッカーを揃えているわけですから、アブドゥルハミドの右サイドバックとしての守備力と推進力は生命線になります。

幸いにも連盟や大使館がスピーディーに動いているようなので、まずは行政手続きや安全確保を最優先に、一刻も早く無事にチームへ合流してほしいところです。そして何より、この災難による精神的なショックを乗り越え、ピッチの上で本来の素晴らしいパフォーマンスを見せてくれることを一人のサッカーファンとして切に願っています。がんばれ、アブドゥルハミド!