日本代表メンバー26名の中で、最も若い顔がありました。後藤啓介、20歳。シント・トロイデン(ベルギー)に所属するストライカーが、北中米ワールドカップのメンバーに選ばれたのです。
5月15日に行われたオンライン記者会見で、彼は「ワクワクが止まらなかった」と笑顔を見せました。幼い頃から夢見ていた舞台に、ついに立てるかもしれない。その期待と緊張が入り混じった心境を、率直に語っています。
本記事では、最年少メンバーとなった後藤啓介の選出までの道のり、記者会見での発言、そしてW杯での役割について解説します。
「選ばれる自信はあまりなかった」正直な告白
メンバー発表の瞬間、後藤は代理人からの電話で自分の名前が呼ばれたことを知りました。その時の心境を、彼はこう振り返っています。
「緊張がほぐれ、ホッとした気持ちになった」
実は後藤にとって、日本代表での経験はまだ浅いものでした。これまでの代表選出は、昨年11月と今年3月のわずか2回のみ。クラブでは良いプレーを続けていたものの、W杯という大舞台のメンバーに入れるかどうかは「当落線上」だったと、彼自身も認めています。
「良いプレーはできていましたけど、選ばれる自信はあまりなかった」
この正直な言葉に、20歳の若さと謙虚さが表れています。実力はあっても、経験値では他の選手に劣る。その自覚があったからこそ、選出されたときの喜びは格別だったのでしょう。
長友佑都との20歳差|ベテランから学ぶ姿勢
今回のメンバーには、興味深い対比があります。最年少の後藤啓介(20歳)と、最年長の長友佑都(40歳)。その年齢差は、なんと20歳です。
長友はW杯5大会連続出場という、アジア選手史上初の記録を持つベテラン。一方の後藤は、W杯どころか代表経験もまだ2回のみ。
記者会見で後藤は、この大先輩の名前を挙げて語りました。
「経験値がある選手を、練習や準備の段階ではしっかり見習いたい」
若手として吸収できることは全て吸収する。そんな謙虚な姿勢が、彼の言葉から伝わってきます。長友のような世界を知り尽くした選手が同じチームにいることは、後藤にとって何よりの財産になるはずです。
「若さ」を武器に突き上げる
ただし、後藤はただ先輩の背中を見ているだけではありません。彼には「若さ」という最大の武器があります。
「若さは良い意味でも悪い意味でも武器になる。その若さを良い方向に持っていけるように、アグレッシブに自分の良さをどんどん出していきたい」
森保監督も会見で「突き上げ」の重要性について語っていました。レギュラー陣に安心を与えず、常にポジション争いを生む。それがチーム全体の底上げにつながります。
後藤はこの言葉を受けて、決意を語ります。
「突き上げはW杯期間中も大事になりますし、今後も重要になってくる。臆せずドンドン突き進んでいきたい」
経験では劣るかもしれない。でも、勢いと怖いもの知らずの攻撃性では誰にも負けない。そんな覚悟が伝わってくる言葉です。
ベルギーで証明した得点力
後藤啓介がメンバーに選ばれたのは、決して勢いだけではありません。所属するシント・トロイデンで、今シーズン二桁得点を記録しました。
ベルギーリーグは、ヨーロッパでも中堅レベルとはいえ、日本のJリーグよりも確実にレベルが高いリーグです。そこで結果を残したことが、森保監督の信頼を勝ち取りました。
後藤自身も、自分の武器を理解しています。
「ポストプレーやボックス内での決定力」
これこそが、彼が日本代表に貢献できる部分です。クラブで培った調子の良さを、そのまま代表に持ち込む。それができれば、経験不足は大きな問題にはなりません。
まとめ|期待を「いい意味で裏切る」活躍を
「選んでもらった期待に応え、いい意味でその期待を裏切れるような活躍をしたい」
記者会見の最後、後藤啓介はこう締めくくりました。
26名の一人に選ばれた責任。最年少という立場。そして何より、幼い頃からの夢だったワールドカップという舞台。全てを背負って、彼は北中米に向かいます。
初戦のオランダ戦でいきなりスタメンというのは考えにくいですが、途中出場で流れを変える役割は十分にあり得ます。もし後藤がゴールを決めれば、日本中が沸くでしょう。
20歳の新星が、世界最高峰の舞台でどんなプレーを見せるのか。6月15日から始まる戦いを、一緒に見守りましょう。